ロルフィングとは
最近注目を集めている筋膜を緩めて、整えるボディワークです。
筋膜は全身をボディスーツのように包んでカラダの形を作っています。
そしてみずみずしくて、伸び縮みするような性質でカラダを支える役割を持っています。
力を入れなくてもカラダを支えてくれているのは筋肉ではなく筋膜なのです。
筋膜は怪我や病気のストレスで他の部分とくっついてしまったり、動きのクセや悪い姿勢で伸びやかさが失われていきます。
年齢とともにみずみずしさを失いやすいので、ケアをしていないとカラダ全体が縮こまってしまいます。
筋膜はカラダの内側にある内臓も包み込んでいます。内臓を包んでいる筋膜が乾いて伸びやかさが無くなると循環が悪くなったり、消化や吸収、排泄にも問題が出てきます。
ロルフィングを受けることで、筋膜がみずみずしく伸びやかになるので姿勢やカラダのラインがキレイになります。
今まで引っかかっていた筋膜の制限がなくなるので、動きやすく、疲れにくくなります。
カラダの内側にも大きな変化が起こるので、呼吸や循環、消化や吸収なども整うので体調も良くなっていきます。
ロルフィングの10シリーズは10回をかけて全身の筋膜をメンテナンスしていきます。
長年の緊張やストレスを取り除いて、もう一度本来あるべき状態にカラダを整えていく方法です。
ロルフィングの歴史
ロルフィングはあまり知られてはいません。
このページを見てくださっている方も、本やテレビなどで「筋膜」という言葉から調べて下さった方も多いと思います。
「筋膜」という言葉が注目される何十年も前からある方法なのですが、あまり広まってきませんでした。
海外では一般の人からオリンピック選手や俳優、音楽家の方なども受けており、徐々にポピュラーになってきています。
日本ではテレビで紹介されたり、芸能人が受けていることを公表したり、紹介する本なども出ているのにまだまだ認知度は低くて知る人ぞ知るというボディーワークになっています。
ロルフィングは10回で終わるプログラムを持っています。毎回違ったテーマがあって、それぞれが毎回上手く積み重なっていくようにデザインされています。
他の手法と混じることなくこの進め方やコンセプトが守られるようにしてきたためにあまり広めることはしてきませんでした。
今でもそれは変わりませんが、多くの方にロルフィングが届くように広める事にも力を注いでいます。
もっとくわしくロルフィング
ロルフィングはアイダ・ロルフ博士(1896-1979)によって創られました。
彼女はアメリカの生化学者で、自身の方法を身体構造統合法(Strucutural Integration)と名付けて、後に愛着を持ってロルフィングと呼ばれるようになっています。
アメリカのコロラド州ボルダーにRolf Institute本部があります。
https://www.rolf.org/
世界の各地域に支部があり、日本にも日本ロルフィング協会(JRA)があります。
http://rolfing.or.jp/
ロルフィングは手技を使って筋膜を調整していきます。
硬い筋膜を緩める、柔らかくするとカラダは良くなるというイメージがありませんか?
でもロルフィングはそれだけを目的としていません。
バランスがとれていなくて柔らかいだけだと、カラダは重力に負けてどんどん潰れていってしまいます。
年を重ねていくと背は小さくなって、横幅は大きくなってしまうのは、重力に対してカラダが上手く使えなくなっているからです。
寝ている時よりも、立ったり、歩いたりする時にこそ重力を見方につける必要があります。
ロルフィングは立つ・座る・歩く・・・など重力の中で動いた時に、身体が楽に動けるようにする『全身改善プログラム』です。
緩めてもらって、また戻って・・・
このような繰り返しをするような方法ではなく
重力の中で動いていることを大切にして進めて行く、他にはないプログラムです。
セッションで変わっていくこと
左はセッション1の前、右はセッション3の後の写真です。
セッション1の前では横に広がっていたカラダのラインが、セッション3の後では中心に集まって縦に長く伸びています。
肩や頭も左右バランスが良くなってきています。
意図的に中心に集めたり、左右差をなくすように進めて行くわけではありません。
ロルフィングのプログラムに沿って全身を調整してきます。
セッション1~3は表層の筋膜を整えていきます。
丁寧に筋膜の張りを整えていくと立った時に自然とスジの通った姿勢になっていきます。
マッサージをしてカラダをフニャフニャにしてしまうと時間が経つにつれてカラダが落ちて広がってきますが、ロルフィングでは施術の後に上手く馴染んでセッションのテーマ毎にちょうど良くバランスしていきます。
ロルフィングの大きな3つの特徴
筋膜にアプローチする
筋膜は皮膚の下にあって弾力と伸び縮みする性質を持った組織です。
筋膜は肉や骨、内臓などカラダの隅々まで張り巡らされていて、それぞれがちょうど良い位置にあるように支える役割をしています。
だから筋膜の問題はカラダの歪みに大きく関係しているのです。
右の図は筋膜の写真です
筋膜はクモの巣のようにカラダの中に張り巡らされていています。
この間を神経や血管が通っています。
左の図はクモの巣です
水滴が滴っているような様子は筋膜にとても似ています。
私達の筋膜も健康な状態ならこのようにみずみずしいです。
筋膜は糸のような張りと水の様な性質を同時に持っているものです。
ロルフィングでは筋膜にゆっくり働きかけてじわーっと緩めてみずみずしくします
強いストレスがかかったり、動きが無くなってしまったき筋膜は乾いてパサパサしています。
ロルフィングは筋膜にみずみずしさが戻ってくるように触れていきます。
筋肉をストレッチしたり、骨の歪みを矯正してもまた元に戻ってしまうのは、周りの筋膜のみずみずしさが回復していないからです。
全身のバランスを整えていく
からだのどこか一か所ではなく全身を一つとしてバランスをとっていきます
筋膜で全身が繋がっているので、カラダのバランスをとるには全体を考えなくてはいけません。
右の図は筋膜をセーターに見立てたモデルです
筋膜はからだ全体を包みこむように張り巡らされているため、一部を引っ張っても全体に影響します。
ある部分の痛みや違和感が、実はそこから離れた部位の筋膜の捻じれや引っ張りが原因!ということもあるのです。
左の写真はテンセグリティと呼ばれる構造です。
支柱同士が支えあうのではなくロープが引っ張り合うことで支柱を支えて上手く形を保っています。
私達のカラダでは筋膜がこのロープの役割をしていて伸び縮みしながらからだを支えています。
ロルフィングでは筋膜の張り具合をちょうど良く整えます
足の筋膜が縮まって硬くなって肩の方まで引っ張られていることもあります。
足の筋膜を緩める事で肩まで不思議と肩まで楽になる事もあります。
逆に筋膜に張りが無くなってしまってもカラダはグニャっと潰れて歪んでしまいます。
ただ緩んだ「フニャフニャ」な状態はとても困るのです。
張りがなくなった筋膜に「もうちょっとしっかりね!」と感覚を刺激して目覚めさせたリ、動きを使って「ちゃんと動けるよ!」ということを筋膜に思い出してもらいます。
ロルフィングではこのようにして筋膜の張り具合を整え、全身が均質になるようにしていきます。
からだのクセを変えていく
体のクセは筋膜に現れています。筋膜を緩めながら、クセになっている無理な動きから、もっと自然で楽な動き方を身体に伝えていきます。
これは実は神経を伝って動き方を学び直す脳の再学習になっています。
「こんな風に動けるんだ」と一度でも感じられれば、司令塔である脳はその回路を優先して使ってくれます。気にしていなかったのに、動きが変わってくるというのはこのためです。
緊張してしまうクセから、楽に動ける良いクセに変えていきます
ご自宅や職場でも実践が出来るように、その人にあった自然な立ち方・座り方、首・肩の状態などをセッションの中でわかりやすく、丁寧にアドバイスいたします。
その場限りではなく、生涯を通して役に立つような身体の使い方と感覚を身に着けていきましょう。
ロルフィングの10シリーズ
10シリーズはロルフィングの本領が発揮されるメニューです。
一度に全身を整えることが出来たら良いですよね。
でもカラダは大きくて奥行きもあります。
きちんと整えていくには計画的に進めて行く必要があります。
からだの表面から、少しずつ深層へ。そして軸がまとまり、全体がひとつとして動けるようにからだを整えていきます。
ロルフィングの進め方は少しづつ、着実にです。
筋膜を「タマネギの皮をむくように」表面から丁寧に整えていきます。
いきなり深く入るような方法は、タマネギに刃物を入れるようなものです。
一時的に大きな変化はあっても、時間が経つとタマネギはどんどん痛んでいきます。
表面から丁寧に進めていくので、無理がなくて、大きな変化が出ます。
そしてその変化はすぐに戻るようなものではありません。
木の幹を整えて、枝や葉っぱをお手入れして
ロルフィングは土台である足元を整えながら、その上にある体幹や上半身が楽に安定するように進めて行きます。
まず木の幹がしっかりするから、枝や葉っぱはのびのびと伸びていくことが出来ます。
こうして進めて行くからロルフィングの効果は持続して、戻ってしまうということがありません。
ロルフィングの10シリーズは遠回りをしているようで、からだを根本から変化させて、そして持続していく効率的なアプローチ方法です。
カラダを根じっくりと根本から見直したいという方にロルフィングはとてもおすすめです。